神降ろし(2)

865 :本当にあった怖い名無し:2009/07/27(月) 01:10:43 id:NTfTxL700
そこからゆっくりと、漆黒の2本の手の様な物が水溜りから突き出され、何かが這い出そうとしているように見えた。
その時、あれは幽霊とかそんな生ぬるいものではない、もっと禍々しい何かだと自分の直感が告げていた。
頭のようなものがぬるりと持ち上がってきたところで、俺達は弾かれたようにその場から逃げ出した。
自転車に飛び乗り、元来た道を全力で走る。当然後ろを振り返って確認する余裕などなかった。

3人とも這々の体で、元いた俺の部屋に転がり込んた。
部屋のドアにしっかりと施錠した後、まだ恐怖の余韻が残る中、
「なんだよアレ。やばいやばいやばいやばい」
「俺、幽霊とか見たこと無いけど、アレは絶対やばいって。雰囲気的に幽霊とかのレベルじゃねーよ」
沈黙が恐ろしくて、みんな口々に意味の無い事を言い合っていた。

しかし、その後しばらくたっても、神社で見た何かが追って来ている様子がなかったので、
電気を点けっぱなしにして、ミニコンポから音楽を流しっぱなしにした状態で寝ることになった。

恐怖感からか目が冴えて全然眠れなかったが、
朝日がカーテンの隙間から差し込む頃には、それまでの緊張感からうとうとし始めていた。
その時に夢を見た。
その時に見た夢というのが、風景も何もなく真っ暗な場所に、肝試しに使った蝋燭が3本立っており、
その内の1本に炎が灯るというもの。
目が覚めてから聞いて見ると、AとBも同じ夢を見たらしい。
全員が同じ夢を見ていた、ということに気持ちの悪さを覚えながらも、その日は解散となった。

その日(土曜日)の夜、再び同じ夢を見た。暗闇に蝋燭3本が立っている。
前回と違ったのは、3本の蝋燭の2本目に炎が灯ったこと。
目が覚めてから、何かを暗示しているようで気味が悪かったが、
週明けの試験のこともあったので、あまり外出もせず勉強に励んだ。

予感していたことだが、日曜日の夜にもやはり同じ夢を見た。今度は3本目の蝋燭に炎が灯された。
何か嫌なもの予感させる夢だったが、試験をサボるわけにもいかず大学に出かけた。
同じ講義と試験を受ける予定だった、AとBが来ていなかった。

気になりながらも、その日予定されていた講義と試験を無事に終え、
とりあえずAの携帯に連絡を取ってみたところ、少し混乱をしていて要領を得なかったが、
A曰く、「2本目の蝋燭が灯った夢を見て目覚めた日に、神社にいたアイツが来た」
ソレに気を取られたからなのか、何も無い階段で足を踏み外し足を骨折して、今は病院だという。
今度はBに連絡とったところ、Bも似たような感じで、自転車で事故に遭い入院中とのこと。


867 :本当にあった怖い名無し:2009/07/27(月) 01:12:49 id:NTfTxL700
とりあえず、二人とも生きてはいることがわかりホッとしたものの、
次は確実に自分の番ということに気付き、ジワジワと恐怖感がせりあがってくる。
そんなところに突然声をかけられ、座っていたキャンパス内のベンチから思わず飛び上がりそうになる。
声をかけてきたのは同じ地元出身で、幼馴染の姉である2つ年上のCさんだった。
C「なーに、しけたツラしてんの?」
俺「なんだ、Cさんですか脅かさないでくださいよ・・・」
Cさんは知り合いを探すように、周りをちょっとキョロキョロしながら、
C「別に脅かすつもりはって・・・うわっ!!」
C「ちょっと、D君(俺のこと)なんてモノ連れてんの」
俺「ちょっ・・連れてるって何の話ですか?何か視えるんですか。ってか、Cさん視える人なんですか?
 そんな話今まで一言も言ってなかったじゃないですか」
C「ちょっと、一気に質問しないでよw」

ここで、Cさんについての説明と、Cさんから聞いた話をまとめる。

Cさんについて。
・地元の幼馴染の姉。(長女Cさん、長男Eさん(神道関連の某大学生)、次男F(幼馴染)の3姉弟
・地元の神社の娘。
・昔からいろいろと視える性質だそうだが、わざわざ人に喋ることでも無いし、
 喋ることで鬱陶しいの(そういうのが好きな人間)に、まとわりつかれるのも嫌だからとのこと。

聞いた話。
・何か得体の知れないものが憑いてる。(人間の霊とかで無く、良くわからんらしい)
・話を聞いた限りでは、物理的に害を与えるというよりも、精神に障るタイプのヤツっぽい。
・憑かれたままだと、碌な目に遭わないはず。下手すりゃ死ぬかも、とのこと。