触れてはいけないモノ(2)

581 :通りすがりの名無し:2006/12/13(水) 18:42:48 id:pf1GsXTF0
すぐに消灯時間は過ぎ、先生達が見回って部屋の電気を消させた。
部屋の入口のドアは少し開けられていて、廊下の明かりが差し込む。
たぶん、しゃべったりしてる生徒を見つけやすいようにしたんだろう。
先生達が廊下を、パタッパタッと行ったり来たりする足音が聞こえる。
廊下の明かりと、先生達が見守ってくれているという安心感からか、
先ほどの人形の出来事を忘れて、すんなり眠りにつけそうだ。
パタッ・・・パタッ・・・パタッ・・・パタッ・・・パタッ。
先生の足音を聞いているうちにウトウトし始めて、俺は深い眠りについた。

寝始めてどれくらい時間がたったのだろうか。「ドンッ!」と地響きのような音でハッと目が覚めた。
夢かと思って、ドキドキしながら2回目の音が聞こえるのを息を殺して待っていた。
おそらく、同室の連中もそうだったに違いない。
すぐに「ドンッ!ドンッ!」と、1回目と同じくらい大きな音が鳴り響いた。それと同時に叫び声が聞こえる。


582 :通りすがりの名無し:2006/12/13(水) 18:44:10 id:pf1GsXTF0
ドンッという音と叫び声は、どうやら隣の部屋からのようだ。
廊下からS先生の「どうしたっ!」っという声と、A男の叫び声のような物が聞こえてくる。
俺たちはあわてて部屋を出て、隣の部屋に駆け込んだ。
部屋の中はすごい光景だった。
A男が目をちばらせ、壁に向かって手足を振り回してた。
まるで、壁から出てくる何かに必死で抵抗しているように見えた。
A男「やめろー!くるな!くるな!」
S先生「おいっA!しっかりしろ!」
A男「手が!手が!手が!壁から手がーーーーーーーっ!」
すぐに他の先生達が駆けつけ、A男を取り押さえた。
A男は押さえつけられながらも、叫びながら必死で何かに抵抗していた。
見ている俺らも怖くなるぐらい、暴れ叫んでいた。

S先生「おいっ!救急車を呼べっ!」
誰が救急車を呼んだのか知らないが、すぐに救急隊員がタンカを持って入ってきた。
タンカに載せられて縛られても、A男は暴れ続け失禁までしていた。
そのまま救急車で運ばれていってしまった。


583 :通りすがりの名無し:2006/12/13(水) 18:46:03 id:pf1GsXTF0
S先生「さーもう全員寝るんだ!あいつは悪い夢でも見たんだろう」
と部屋から生徒を追い出し、各自部屋に戻って寝るように言った。

もちろん、あんなのを見てしまったからには、寝られるわけが無い。
俺たちは部屋に戻って、皆が落ち着きを取り戻した頃に、S先生を呼び出した。
そして、A男が屋根裏から人形などを見つけて、投げたりして遊んでしまったことを伝えた。
S先生「そんな事は関係ない。あいつは夢遊病か何かなんだろう。お前たちも気にしないで寝ろ。
 一応、旅館の人に、その天井裏の人形の話はしといてやるから」
と言い、すぐに部屋を出て行ってしまった。
しかたなく俺も布団に入った。
怖くて壁や天井は見れなくて、ガタガタ震えながら布団をかぶって朝を待った。