長男だけが見る幽霊(1)

家系にまつわるオカルト3代目

34 :本当にあった怖い名無し:2007/05/03(木) 18:07:20 id:GuFs/B9U0
以下に出すのは、全部友達の家系で起きた話です。
ただ、友達もその家族も生きてるので、詳細は伏せます。

『長男だけが見る幽霊』
その1
「自分の家系は、どうやら呪われているらしい」と話す友人A。
と言うのも、その家の長男だけが見る幽霊が居る為です。
ですから、女性や次男以降の男性には絶対見えません。

Aの家は、代々地主をしていた家系です。
そして、その家を継ぐ当主たる長男は必ず、『物凄く髪の長い女性』を見ることになるそうです。
Aが彼女を見たのは、4,5歳頃らしいです。

その夜、Aは夜中に尿意を催し、トイレへ行こうと布団から出ました。
暗い廊下を歩き、手探りでトイレに辿り着きます。
で、トイレのドアを開けると、そこに彼女(幽霊)は居ました。
着物を着た彼女は、丁度Aに対して背中を見せる形で立っていたそうです。
夜中のトイレに、見ず知らずの女性が突っ立ってるだけでも十分恐怖ですが、
彼女はその異常さを更に助長させるような格好をしていました。


35 :本当にあった怖い名無し:2007/05/03(木) 18:07:59 id:GuFs/B9U0
「髪がさ、凄く長いんだよ」
Aは私に言います。
そうです。彼女の髪は、トイレの床全てを覆い尽くす程の長さだったそうです。
そして、彼女は恐怖で固まるAの方へ、ゆっくり振り向こうとしました。
幼いながらも「顔を見たら凄くマズイ」と思ったのでしょうか。
固まっていたAは、全速力でトイレから逃げ、父母の寝室へ駆け込んだそうです。
泣きながらも、事情を両親に話すA。
普通の親なら、「気のせい」とか「見間違い」で済ませてしまうでしょう。
ですが、Aの父親は黙って話を聞いてくれたそうです。

さて、それから何年も経ったある日。Aと父親は雑談をしていました。
そして、なにかの拍子に、例の『髪の長い女性』の話になったそうです。
そこで初めてAの父親は、「その幽霊は、俺も見た事がある」と告白したのです。

Aの父親(A父、とします)も、4,5歳頃に『彼女』を見たそうです。
但し、A父が見たのは家の庭で、更に夜中でなく昼間でした。
そして、やはりと言うべきか…その時も後姿で現れたそうです。
日が出ている時間ということもあったのでしょうか。
A父は恐がることなく、あの人は誰だろう?と思いながら見ていたそうです。


36 :本当にあった怖い名無し:2007/05/03(木) 18:08:33 id:GuFs/B9U0
その時、「見るな!」と叫びながらA父の父(Aの祖父。以降、A祖父)が物凄い剣幕でA父を抱きかかえ、
家の中に引っ張り込んだそうです。
その時のA祖父は心底怯えた表情だったそうで、
A父が「どうして見てはいけないの?」と聞いても、その理由は決して話さなかったそうです。

A自身も聞いたそうですが、やはり教えてもらえず、
結局A祖父は誰にも話さないまま鬼籍に入ってしまったそうで…。
結局、その女性は一体何者なのか、何故長男だけが見るのか、
どうして後姿で現れ、顔を見たらどうなってしまうのか等々…全く不明です。
ただ、A祖父の怯え様からして、決して良い事が起きると思えません。

Aは今、悩んでいます。
何故なら、A祖父は大人になってからもその女性が見えていた訳で(見るな!と叫んでいたので)、
そのうちまた、彼女を見る事になるのでは…と。
そしてその時、彼女の顔を見ずに済むのだろうか?と。


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