キャンプ(5)

572 :キャンプ (その後)5:2009/05/05(火) 19:17:14 id:eozpO8580
俺「何?風呂場からだよな?」
B「さっき見たときは何も無かったけど…」
不「何か臭くないですか?」

とりあえず中を確認しようと、扉を空けた瞬間、異様に生臭いというか、腐臭に近い臭いがしてきた。
鼻を押さえて中を覗き込むと、バスタブの排水溝から、黒い液体がゴポゴポと湧き上がっている。
臭いの元はそれらしく、排水溝の奥からガコッ…ガコッ…と、変な音は相変わらず聞こえてくる。
あまりの臭さに、顔をしかめながら窓を全開にして換気扇を回していると、俺はある事に気が付いた。
この臭いって、キャンプのときにCとDに塗られた、黒い液体と同じじゃないか?
俺「A、Bちょっと…この臭いって…」
A「ああ、お前もそう思ったか」
B「…偶然だよな…」


573 :キャンプ (その後)6:2009/05/05(火) 19:17:59 id:eozpO8580
そんな話を俺達がこそこそと話ていると、ハンカチで鼻と口を押さえながら不動産屋が、
「騒音の原因はこれかもしれませんね。
 明日業者に来てもらうので、○○(俺)さんはこちらでホテルを用意します。そちらで一泊してもらえませんか。
 これではここにいるのは無理でしょうし」
本来ならこの提案は受けるべきなんだが、
俺は臭さと同時にあの時の恐怖が蘇っていたため、とてもこれから一晩一人で過ごす勇気は無い。
不動産屋には、「今日はAかBの部屋に泊まるのでそれは良い」と言い、
そそくさと全員を部屋から出し鍵を閉めた。
とてもじゃないが、あの部屋にこのままい続けるのは、臭いもあるがそれ以上に、
『やつら』がきそうで恐ろしかったから。

下の階の住人は、配水管が詰まったか何かして、変な音がしていたのだろうと納得し、
俺に「誤解をしてすまない」と軽く謝罪をすると帰って行き、
不動産屋も、明日の予定を軽く説明すると帰って行った。
残された俺達は、恐らく真っ青な顔をしていたと思う。

俺「ただの配水管の詰まりかなにかだよな?あれは関係ないよな?」
A「俺達関係ないだろ…石持ち帰ろうとしたのはCとDだし」
B「…偶然だろ。ありえねーよ」
とにかく3人とも「偶然だ」ということで済ませたかったが、
臭いが正にそのままなうえに、変な音というのも気になる。
皆一人で夜を明かすのは恐ろしかったのか、今晩はBの部屋に3人で泊まる事にした。


574 :キャンプ (その後)7:2009/05/05(火) 19:18:42 id:eozpO8580
それからBの部屋で、朝まで起きているつもりだったのだが、
何か妙に3人とも眠気があったため、1時過ぎ頃寝る事にした。

深夜3時頃、俺はBに起された。Aも起されたらしい。
何で起したのか聞いてみると、Bが言うには、
窓の外から大勢の話し声が聞こえてきていて、それが徐々に近付いてきているらしい。
聞き耳を立ててみると、確かに何か聞こえる。
A「神経質になりすぎじゃないか?誰か外で話してるだけだろ」
B「いや…でも」
俺「何だよ」
B「ここ3階だぞ。何で下じゃなくて、横から声が聞こえるんだよ」
たしかに言われて見ればそうだ。
気のせいなのかもしれないが、何か気味が悪い。
ひとまずもう寝ていられないので、
電気をつけてゲームの続きでもしようと、Aが電気をつけるため天井のほうを見た。
Aがそのまま絶句して硬直している。
何事かと俺とBが、Aの見ているほうを見てみると…


575 :キャンプ (その後)8:2009/05/05(火) 19:19:29 id:eozpO8580
何十人という青白い顔が、俺達のほうを無表情に凝視していた。
体は無い。顔だけが天井に何十と張り付いている。
「うああああああああああ」
俺達はもう恐怖心で恐慌状態になり、着の身着のままBの部屋を逃げ出した。

俺とA、Bは、もう部屋に戻る気になれなかった。
明るくなったらすぐ、神社かお寺で御払いをしてもらう事にして、
そのまま恐怖心を紛らわすため、
カラオケボックスで日が高くなるまで、無理にハイテンションになって歌い続けた。