心霊スポットの地下(4)

695 :本当にあった怖い名無し:2011/04/08(金) 22:51:16.46 id:kja+wGxR0
しかし何も起きず、更に10分くらい待っていると、気配もなんとなく無くなった感じがしました。
なので、最後に「出てくるんはええけど、俺のとこだけにしてね」と言い、地下を出ました。

車に戻り、すこしだけ廃墟の外観を眺めた後、山を降りるため車を走らせました。
運転しているのに足を掴まれては適わないので、できるだけスピードを落として走行していました。
すると今度は、後部座席から肩を掴まれました。
最初は掴むだけで、どんどん爪を立ててくるような感じでした。
私は「いったぁ・・・」と言いながらも、事故を起こさないよう、
できるだけ安全に、気にしないよう車を走らせました。
どんどん爪を食い込ませる力が強まり、痛みはどんどん大きくなっていきました。
そして、いつまでも爪を立ててくるその手に腹が立ち、広めの道路の脇に車を止め、
「ちゃんと謝ったやんけ、調子のんなハゲェ!!」と怒鳴り、後ろを振り向きました。
暗いながらも、もの凄く剣幕な顔をした女性が、私の肩に手を伸ばしているのが見えました。
心の中では、うわぁ・・・こっわぁ〜〜・・・と思いながらも、
その女性を真っ直ぐ見つめ、「なんやねん」と機嫌が悪そうに言うと、
爪を立てる力がかなり緩くなり、やがて触れられている感触もなくなりました。
とりあえず私は、「いや、ホントすみませんでした。もうあそこ行かないですから」と言い、
「じゃあ僕前向くんで、その間にどっか行ってね。お願い」といい、前を向いて、車を走らせました。

曲がり道が減ってかなり安全になってから、後ろを振り返ると、
その女性はいなくなっていて、ホッとしました。


699 :本当にあった怖い名無し:2011/04/08(金) 22:52:23.90 id:kja+wGxR0
二日後、また先輩Aから電話がかかってきて、友人が叫びだしたと言われ、友人宅へ向かいました。
私は横になり叫ぶ友人を見下ろしながら、
「もうええってお前。落ち着け」と声をかけても、一向に叫びやまないので、
「お前ホンマ、静かにせえへんと本気で殴るでー。はい5、4、3、」
とカウントすると、友人は静かになりました。
「何やお前それ、くだらん演技すなよ」と呆れたように言う私に、
友人は「演技じゃない。急に意識が戻った」と訴えかけてきましたが、私にはどちらでもよく、
その後、友人がとり憑かれたかのように叫びだす事はなくなりました。

お話は以上です。
今でもたまにおかしなものが見えたりしますが、私は元気です。