心霊スポットの地下(2)

511 :本当にあった怖い名無し:2011/04/08(金) 01:23:25.12 id:kja+wGxR0
私は、夏場なので膝までのパンツだったこともあり、直に足を掴まれていました。
掴まれているというより、その手は思い切り爪を立てて食い込ませるように、痛みを与えてきました。
しかし、私が騒ぐことによって車中がパニックとなり、事故を起こすのが狙いかな、とも考えました。
私は、なんかありそうな聞いた事あるような話しやな、と思いながら必死に平静を装い、
また、一番見られてはいけない隣にいる友人に気づかれないよう、前のめりに座って影で隠していました。

山を降りる手前辺りで、その掴む手の感触がなくなり、
ガソリンスタンドに寄った後、先輩Aの彼女が「ミニストップでポテトが食べたい」と言い出したので、
寄る事にしました。


512 :本当にあった怖い名無し:2011/04/08(金) 01:25:03.33 id:kja+wGxR0
私は皆が車を降りた後、先輩Aだけこっそりと呼び、他の3人と違う場所に移りました。
先輩Aは「どないしたん?」と聞いてきて、私は「危なかったでぇ〜」と息をつきました。
よく分からないという表情の先輩Aに、正体不明の手の爪による血のにじんだ足を見せ、
「降りる時に足掴まれてた」と言うと、先輩Aの顔は正に真っ青になっていました。
先輩Aは「マジか?自分でやったとかじゃないんか?」と聞いてきましたが、
私は綺麗に切った爪を見せ、
「こんな爪でどうやってすんな痕つけれんねん。まあどっちでもええけど焦ったわ〜」と答えました。
「お前、なんで黙ってんのん。そん時言えよ!!」
「そんなもんお前、言うたらパニックになって事故るかもしれへんやないか」
「あ〜・・・そうか」
「ナイス判断やろ」
「おお」
「(友人)と(彼女)には言うなよ。トラウマなるで」
「分かってるけど俺にも言うなよ。怖いわ〜・・・」
「いや、誰かに言いたいやんかやっぱり」
等と言うやりとりをした後、他の3人に黙ったまま買い物を済ませ、
友人宅に戻り、私はすぐ自宅に戻ることにして解散しました。


669 :本当にあった怖い名無し:2011/04/08(金) 21:38:57.84 id:kja+wGxR0
家に戻る事にした私は、ドアの鍵を開けて部屋に入りました。
当時私は、ワンルームマンションの部屋に住んでいたのですが、
開けてすぐに、部屋に誰かがいるのが見えました。
坊主頭にかなりの猫背で、ジャージ姿の男でした。
私の部屋は4階だったこともあり、
すぐに逃げられるのは私を押しのけてドアから出るしかない、という考えもあり、
その場から動かず、「空き巣?」と声をかけました。
男は振り向きませんでした。
「じゃ 幽霊?足あるけど」と声をかけても振り向きませんでした。
しばらく見ていましたが、彼はぴくりとも動きませんでした。
仕方なく私が、「どっちでもええけど、土足やめてや」と言いながら近づくと、
彼はベランダのほうに静かに歩いて、私と距離を取りました。


670 :本当にあった怖い名無し:2011/04/08(金) 21:40:29.14 id:kja+wGxR0
私は「なんだこいつ」と思いつつも、両手に刃物等は持ってなかったようなので、
「盗るもんなんかなんもないし、警察も呼ばへんから、とりあえず出て行ってよ」
と、ベッドに腰を下ろして男に言いました。

それからしばらく男をじっと見ていましたが、微動だにせず何も言いません。
「しゃあないから叩き出すよ」と声をかけても反応しませんでした。
しかし、ふと私が掛け時計に目を向けて彼に向き直ると、
彼はこちらに顔だけ向けて、私と初めて目を合わせました。
目は小さく斜視が入っている感じで、団子鼻、口は少しだけ開いている。
私はその顔つきに、何か普通の人とは違う違和感を覚えました。
彼は若干睨む様なそうでないような感じで、こちらをじいっと見て、
私も彼を真っ直ぐに目を逸らさず見ていました。
4階な上に鍵もかかっていたままだったので、この世のものではないという考えもありましたが、
幽霊にしてははっきりしすぎているというか、生気がある感じがしたので、
私は8割『普通に家に入り込んだ人間』という風に彼を捉えていました。
私は立ち上がって、彼を見た時の違和感をそのまま口に出して言いました。
「知的障害かなんかの子かな・・・?怒らんから、出て行こう。ほら」
そう言って彼の腕を掴むと、その感触は異様なでした。
どっしりと中身の詰まったダンボールのような感触で、気味が悪いものでした。



736 :本当にあった怖い名無し:2011/04/09(土) 00:28:00.59 id:q0gKb6cs0
すると彼は少し振り払うように腕を動かし、私はその感触もあってか手を離すと、
とぼとぼと玄関の方へ歩いて行き、ドアを開けて出て行きました。
私もすこし待って、下のマンションの玄関あたりを観察しようと思いドアに向かうと、
部屋とドアの間にあるトイレのドアが、ドォン!!!と激しい音を立てました。
私は少し警戒しながらトイレのドアを開けましたが、誰もおらず、いつもと変わらぬ光景でした。
すると次は、流しの上の観音開きの小さな戸棚から、ドォン!!と激しい音が聞こえてきました。
なんやねんと思いつつもその戸を開けてみると、
そこには30代後半くらいの男性の顔があり、じっとこちらを見ていました。
私もその男も、じっと少し睨む様な感じで、お互いの目を見ていました。
そして私はなんとなく、「どうせなんか言うても黙ってんねやろ」と口を開き、戸棚を閉じました。

その後、夕方まで特になにも起こらず、少し睡眠をとったりした後、
当時勤めていた職場であるお店に向かいました。
そこでよく「この店は出る」等とよく言っていた、
自称『霊感がすごい』大学生のアルバイトの女性(Hさん)に、昨晩泊まった心霊スポットについて尋ねました。