おかしな子供紫煙 豊漁(1)

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∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part66∧∧

『おかしな子供』
913 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2013/01/30(水) 19:47:51.09 id:si9PjxMw0
知り合いの話。

地元の山に、おかしな子供が現れるという。
目撃されるのはいつも遠くからだけ。
ただ、質素な着物姿の背中が見えるのだと。
どこの子供だろうと見ていると、足元が不自由なのか時折躓く。
倒れまいと足を踏ん張ると、おかっぱ頭がポクンと揺れて、地面に落ちる。
その都度腰を屈め、首を拾い上げては、あるべき位置に載せ直す。
そして何事もなかったかのように、山の奥へ消えるという。

首ぽっくり。そう昔から呼ばれている。
人の間近に現れることはないといい、皆見ない振りをするのだそうだ。


紫煙
914 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2013/01/30(水) 19:48:45.33 id:si9PjxMw0
知り合いの話。

山で作業をしていた折、一服して煙草を吸うことにした。
のんびりと紫煙を燻らせていると、おかしなことに気が付いた。
立ち上る煙が、何もない空間の一点に吸い込まれるように消えていく。
戯れにその一点に向かって煙を吹き付ける。
やはりその煙も吸われていったが、その直後「ほぅ」と聞こえた。
まるで誰かが満足気に、ゆっくり息を吐いたかのように。

不思議と言えば不思議だが、それ以上おかしいことは特に起こらない。
気にしないことにし、静かに一本吸い終えてから作業に戻ったという。


『豊漁』
915 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2013/01/30(水) 19:50:17.82 id:si9PjxMw0
友人の話。

一人で渓流釣りに出掛けた時のこと。
その日はどこに投げても入れ食いで、これまでに経験がないほどの釣果だった。
夕刻になり、鼻歌を歌いながら帰り支度を始めたところ、妙なことに気が付いた。
釣り上げた渓流魚のきっぱり半数が、その目玉を片方抉られていたのだ。
おかしい、身が欠けた個体など一匹もいなかった筈なのに。
気味が悪いので、片目が欠けた魚は放流して帰ったのだという。

後で地元の漁協関係者にこのことを話すと、こんなことを言われた。
「あぁ、それは山神様が手伝ってくれたから豊漁だったんだよ。
 片目が取られた分は、山神様が『これは儂の分!』って主張していたんだ。
 ちゃんと残して帰った?そりゃ良かったねぇ、罰は当たらないさ」
思わず「……罰……罰って……」と呟いてしまったそうだ。

「神様……御力添えくれるなら、その旨ちゃんと仰ってくれないと……」
気弱だが信心深い彼は、そう言って仕切に恐縮していた。

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