サヨちゃん(2)

168 :134:04/02/02 17:40
ゴメン。細部まで全部思い出すと鬱になるんで、最後だけ書かせてくれ。

俺は>>134の前述通り、公園で毎回怖い目に遭ってたんだ。
その内、自然と家に篭もりがちになり、母親の買い物にもついて行かなくなった。
子供ながら、サヨちゃんから逃げようとしたわけだ。

公園に行かなくなって一ヵ月くらい後、久々に父母ともに親子揃って買い物行こう、という事になった。
親父が車を出すというので、ならサヨちゃんに会わなくても済むと思って、俺は快諾した。

デパートをまわって楽しい一時を過ごした後、俺の乗った車は帰り道で公園の前に差し掛かった。
公園の入り口はこちらの車線の歩道にあって、
タイミングの悪い事に、車は丁度その入り口近くで信号機に止められた。
俺は内心サヨちゃんに見つからないようにドキドキしながら、窓からこっそり公園の中を窺った。
すると彼女は居た。一人で。何か指差しながらゲラゲラ笑っていた。
よほど可笑しいのか、まるでのたうち回るように地面に這いつくばって笑い転げていた。
俺は唖然となったが、その時信号が青に変わって車が発車した。サヨちゃんの姿が流れて行った。
しかし、サヨちゃんの指先は俺の車の動く方向へスライドしていった。
彼女は俺の乗った車を指差して笑っていたのだ。
俺は、なぜ俺が乗っていたのがわかったのか、と考えるより先に怯えた。

次の日、親父は車の激しい追突事故でカマを掘られ、頚椎に損傷。ほぼ一生入院生活が決まり、九州の病院へ。
母親と俺は共に九州に行き、父方の実家の世話になり、そこで小学校に入学した。
サヨちゃんと会う事はもう無かった。

俺は、親父の事故は彼女のせいだとは思っていない、というか思いたくない。
俺まで連帯責任を感じてしまうし、何よりあの女の仕業かもと考えるだけで恐ろしく、忌々しく感じて、
今でも腹が立つからだ。

嘘というにはちとショボイ、本当の話。