満月の夜(1)

∧∧∧山にまつわる怖い話Part10∧∧∧

404 :否猿:04/07/02 19:36 id:JoA/BUnv
俺の実家は山あいの村で、昔は猿がキュウリやらトマトやら畑に盗みにくるくらい田舎だった。

小学校3年の夏、四つ上の兄貴と一緒に友達んち遊びにいった時のこと。
すっかり日が暮れて、夕飯まで御馳走になってしまった。
帰る時に友達のおかあさんは、「懐中電灯貸そうか」って言ってくれたんだけど、
兄貴は「月がでてるから大丈夫です」って言って断ったんだ。

その夜はいい満月で、雑木林の中でも暗いって思う事はなかった。
で、ジャリ道歩いてたんだけど、俺急につまずいた。
手も膝小僧もすりむいちゃって、ちょっと涙目になった。
起き上がって、なんにつまずいたんだろ?って眺めると、
兄貴が「おい!お前・・・」って言って、俺の足もと指差した。
最初兄貴が何言ってるのかわからなかったけど、しばらくして俺も気付いた。
兄貴の影はひとつ。俺の影はふたつあった。


405 :否猿:04/07/02 19:39 id:JoA/BUnv
その時、変な声が聞こえた。囁くような、いやらしいしゃがれ声。
見ると、影がますますおかしい。
俺は動いてないのに、右側の影だけ震えてる。
肩を震わせて、まるで笑ってるようだ。
兄貴が小さく叫んだ。
「おい、走るぞっ」
だけど俺は動けない。見たくないのに、すごい嫌なのに、影から目が離せなくなってる。まるで金縛りだ。
「何やってんだ!行くぞ!」
兄貴が怒鳴って俺の手つかんだ。
地面の上の兄貴の影が、俺の影をつかもうとした時、
一瞬早く変な影は腕を伸ばして、俺の影をグイッてひっぱった。
変な影は俺の影をひきずったまま、林ん中へぱたぱた逃げてった。
現実の兄貴は俺の手をしっかり握ってるのに、地面の上の兄貴の影の先には何もない。


406 :否猿:04/07/02 19:43 id:JoA/BUnv
なにか取り返しのつかない事が起きた気がした。
俺は泣き出した。急に怖くなって大声あげて泣いた。
兄貴も青ざめていた。
だけど、行動は早かった。
「お前ここにいろ。絶対に動くな」って言ったがはやいか、
兄貴は林の中を掻き分けて飛び込んでいった。
俺「行っちゃ嫌だー」って叫んだんだけど、「動くなよっ」。
兄貴の最後の声が薮の中から聞こえてきて、それっきり静かになった。

ずいぶん待ったけど、兄貴が帰ってくる事はなかった。
兄貴の言いつけを守れず、俺は泣きながら家に帰った。
両親は俺が独りで帰ったのでびっくりしていた。
俺は一生懸命説明したが、理解してもらえなかったらしい。
親父は兄貴を探すため家を飛び出していった。
何度も本当の事だと言ったが、お袋はなだめるばかりで、俺はとうとうかんしゃくをおこした。
お袋は困った顔で言った。
「でも、ほら、あなたの影はちゃんとあるわよ」
畳の上をみた。俺の影はあった。


407 :否猿:04/07/02 19:48 id:JoA/BUnv
最悪の事態を予想していた両親と俺だったが、次の朝、兄貴はひとりで帰ってきた。
そのまま倒れるようにして眠ると、夕方目を覚まして俺に言った。
「お前、本物か?」
「何言ってるの?」と俺が聞くと、兄貴は難しい顔をした。
影を追って森の中を走っていると、草むらで大きな猿にであったらしい。
その猿は俺の顔をしており、俺の声で笑ったそうだ。
逆上した兄は、ポケットにあったベーゴマをわしづかみにすると、猿にむかって投げつけた。
ひとつが額に命中し、猿はぎゃっと悲鳴をあげて顔を覆った。
猿が振り向いた時、その顔は渦を巻いたようにねじれており、もはや目も口もわからなかったそうだ。
化け物は兄に飛びかかり、すごい力で兄の首を締め上げた。
かなわないと思った兄は、その手に思いっきり噛みついた。
兄は突き飛ばされ木に頭をぶつけて、そのまま気を失ってしまったそうだ。
そこまで話すと兄貴は黙りこくった。

俺はおそるおそる尋ねた。
「お兄ちゃんこそ本物なの?」
むっとした顔で兄は俺の頭を殴った。
「ふざけんな、この野郎」
いつもの優しい軽いゲンコツだった。
俺は泣きながら笑った。兄貴も笑った。

木の上(1)

∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part63∧∧

818 :本当にあった怖い名無し:2012/08/09(木) 20:46:57.82 id:nJ2O/UDlO
昨日仕事で入った山で、高いとこの木の枝に犬が引っかかってた。てか枝に刺さってた。
石投げたけど全然動かなかったから、完全に死んでたなあれ。
殺して刺したのか刺したから死んだのかしらんけど、そういうことする風習や動物ってのあるか?


819 :本当にあった怖い名無し:2012/08/09(木) 20:57:04.94 id:puRLSqKL0
それは、百舌鳥のハヤニエってやつだな。
※モズ(百舌鳥)は捕らえた獲物を木の枝等に突き刺したり、木の枝股に挟む行為を行い、
 「モズのはやにえ(早贄)」として知られる。


828 :818:2012/08/10(金) 07:43:25.01 id:NbHXDDC7O
百舌鳥って見た目スズメみたいだけど結構でかいんだな。それでも犬は無理だろ犬はw
犬が犬殺してとられないように木の上に隠すってのはないかな?それはそれで怖いけどな。近くで仕事してるし。
山は長野県。南信だけど地名は勘弁な。まあ田舎だな。


829 : 忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2012/08/10(金) 08:18:10.51 ID:0ztVfKoA0
崖から落ちたとかじゃないの?かわいそうに


830 :本当にあった怖い名無し:2012/08/10(金) 08:38:48.17 id:U7iVJ1+y0
>>828
日本で犬を持ち上げられる鳥といったら、オオワシぐらいしかいないな
もちろん、ハヤニエの習性はない


843 :818:2012/08/10(金) 22:17:57.05 id:NbHXDDC7O
近くに崖ないしなあ。ワシとか見たことない。トンビはいるけどな。
木がエサとして犬を捕ったのかもな。背後からブスッと。
俺も明日から背後には気をつけるわ。

奇妙な皮(1)

∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part63∧∧

498 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2012/07/24(火) 18:46:15.24 ID:36rLEmUi0
アメリカで聞いた話。

彼はインディアンの血を引いており、自部族が住む地区の自然保護官を勤めている。
かつて山奥の湖沼で、奇妙な皮を見つけたことがあるという。
その皮は全面がびっしりと長くて黒い毛に覆われていた。
毛は非常に硬くて、針と呼んでも差し支えないような形状をしていた。
そして何とも気持ちの悪いことに、人型を思わせる四肢を備えていたそうだ。尻尾はない。
彼曰く、まるで、毛がみっしりと生えた人が、毛ごとその皮を脱ぎ捨てたかのような、そんな不気味な印象を抱いたという。
何れかの哺乳類の皮を細工した代物かとも考えたのだが、何処にも加工したような痕跡は見受けられなかった。
皮の厚みはペラペラと言っていいほど薄く、蛇が脱皮したそれを連想させる。
一体何という動物の皮なのか、全く想像がつかなかった。

部族の長老に聞いたところ、それは『針の男』が脱ぎ捨てた皮だろうと言われた。
『針の男』とは人型をした毛深い怪物で、皺だらけの顔と長く尖った耳を持つ。
頭が非常に良くて、人語を解し、これを操るという。
しかし、他の生き物に強い悪意を持っていて、常に周囲を呪っている存在なのだと。
山で他の動物に出くわすと、それが人でなければ襲いかかって食い殺してしまう。
人と出会った場合は特別で、殺すことはないが抱きついてきて、全身に生えた剛毛を針のように使って刺してくる。
これに刺されると、大抵の者が気絶してしまうそうだ。


499 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2012/07/24(火) 18:49:39.41 ID:36rLEmUi0
その後、気絶から醒めた人間は、『針の男』と同じ精神を持つようになってしまい、
ありとあらゆる生き物に憎悪を抱くようになる。
そして目にした動物を、片っ端から食い殺すようになるそうだ。
やがて、刺された人は新しい『針の男』に変化し、沼に潜むようになるのだという。
かなり昔のことになるが、『針の男』が大勢出現したために、山から生きた動物の姿が消えてしまったことすらあったらしい。

『針の男』は年月を重ねると、脱皮して光の精霊になると言われている。
そうなると他の生き物に興味を持たなくなり、世界にとって無害な存在になる。
だから、脱皮後に見つけたのは運が良かったと言われた。
ただ、残された皮や針に魔力が残っていて、人々に害を為すかもしれないから、
これは燃やした方が良いと長老に諭された。

自然保護官の彼は高等教育を受けており、理知的に物事を考える人物であったが、
同時にそういう言い伝えも大切にする人物でもあった。
だから悪い精霊の物だと知るや否や、長老の忠告通り、これを火にくべて灰にしてしまったという。
「勿体ない、何か未発見の動物だったかもしれないのに」
人からそう言われると、
「昔から伝わっていることというのは、必ず何か意味があってのことだから」
と冷静に返しているのだそうだ。

きんきらさん(1)

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?92

805 :本当にあった怖い名無し:05/02/18 01:38:07 id:CyHk72sr0
友人が「お前の話とすげー似た話が書いてあった」と言うので、 ここのまとめサイトを読みに来ました。
私は幽霊とか、得体の知れないものの存在などは信じていなかったのですが、正直、今ぞっとしています。
『ヒサルキ』・・・私のときは「きらきらさん」と呼ばれていました。
本当にそんなものが存在するのでしょうか。
差し障りがあるといけないので、時と場所はぼやかして書きます。

そこの施設内で、たびたび動物の惨殺死体が発見されるのです。
そこにいた子供に聞くと、「きらきらさんがやった」と言います。
「きらきらさんってなに?」と聞くと、
両目を両手で隠し、「しらない」としか言いません。
そこの職員も「きらきらさん」がなんなのか、さっぱりわからず不気味に思っていました。


806 :本当にあった怖い名無し:05/02/18 01:39:09 id:CyHk72sr0
あるとき、施設内の庭に子供達を連れ出したとき、私と手を繋いでる男の子が小さく「あっ」と声をもらし、
「きらきらさんだ」と言って、青空の一点を見つめます。
私も空を見つめましたが、なにも見えません。
ふと気がつくと、他の子供達も徐々に「きらきらさん」に気がついたらしく、
ひとり、またひとりと空を見上げ、結局その場の子供達全員が、同じ空の一点を見つめているのです。
「きらきらさん」に向かって、にこにこ手を振っている子もいます。

とても晴れ渡った明るい昼下がりに、突然起こったこの不安な静寂に耐え切れず、
私は手を繋いでいた男の子の前にしゃがみこみ、
「なんにも見えないよ?きらきらさんってなんなの?」と問いかけました。
するとやはり、両目を両手で隠し「しらない」というのです。
私は彼の両目を覆っている両手をはずし、「私も知りたいなー。教えてよ」と言いました。

すると。
その子はいきなり、両手の人差し指をおもいっきり突き出し、私の両目を衝こうとしたのです。
驚いてシリモチをついたので、その攻撃を避けることができましたが、
今度はその突き出した両手の人差し指を、同じ勢いでなんのためらいもなく、
彼は自分の両目に突き刺したのです。
あまりのことに我を忘れて私は彼に飛びかかり、押し倒し、
さらに力を込めて自分の目にねじ入れようとしている小さい両手を必死に押え、
「だれかっ!だれかああぁあ!!たすけてったすけてぇぇぇ!!!」と絶叫していました。
子供とは思えないような力でした。


807 :本当にあった怖い名無し:05/02/18 01:39:56 id:CyHk72sr0
私ともみあううちに、彼は自分をとりもどしたのでしょうか。
ふいに「目が痛いよーーー!!痛い痛いよーー!」と泣き出しました。
まるで今ケガに気がついたように。
すぐに病院に連れて行き、失明を免れることはできましたが、後遺症は残ってしまいました。

私は今までこの体験は、集団ヒステリーのようなものだと思っていました。
または、空想の産物の共有みたいなことが起こっていたのかも、と解釈していました。
しかし、おそらく時も場所も違うにも関わらず、
『ヒサルキ』という話が存在し、『きらきらさん』を体験した私がいる。

言葉をうまく操れない子供達は、
得体の知れないものに対して勝手に名前を付け、親しんでしまうことがあります。
大人があるときふと耳にする、聞きなれない子供達の「造語」に、
立ち入ってはいけない場合があるのではないか・・・
ここにきてそう思いました。

ヒサル(1)

∧∧∧山にまつわる怖い話Part3∧∧∧

699:名前:643:03/11/19 15:11

夢魔?】ヒサルキ/ヒサユキ【ネタ?】スレの217-219のコピー。

>>134
関係ありそうなんで書き込みます。

私はずっとある村に住んでいるんですが、小学校の頃、一度だけ不可解な体験をした事があります。

私は友達何人かとで、川でザリガニを採っていました。
捕まえたザリガニを決闘させるために、一旦岸に上がったのですが、
その時、山から出てきた赤っぽい犬が、田んぼを横切ってこっちへ歩いてくるのが見えました。
ヨタヨタとふらつきながら近づいてくるにつれ、私はその犬がケガをしていることに気が付きました。
もともと白い犬だったのが、毛皮が血だらけで、だから遠目に赤っぽく見えたのです。
頭や手足、口や目からも血がポタポタと滴り落ちて、息も荒く苦しそうでした。

そいつは急に、私達の方に頭を向け走り出しました。
ケガのせいかスピードは遅いのですが、騒がしく吠え立てることもなく、
ひたすらフッフッフッと荒い息を吐きながら、ジグザグにこっちに向かってくるのが、逆に不気味な感じがしました。
「おい!山犬がこっちに来るぞ。逃げようぜ!」
友達もあわてて川から出て、靴を履いて逃げ出しました。
犬は方向を変えて、私達の後を追いかけてきます。
近づくにつれ、足が折れて白い骨がはみ出しているのが分かりました。


700:名前:643:03/11/19 15:13
「ぉおい!何やっとんだ!逃げぇ!お前ら!」
怒鳴り声がしたので振り返ると、山犬の後ろを走るおじいさんの姿が見えました。
林業をやってる修さんが、鉈を持って凄い形相です。
修さんは私らのすぐ後ろで犬に追いつくと、鉈を振り回しました。
「お前ら!村で大人呼んでこい!」
犬は、修さんに近くにあった棒きれで滅茶苦茶に叩かれていましたが、
吠えも鳴きもせずに、相変わらずフッフッフッと息を吐いてぐるぐる回っています。
よく見ると、殴られる前から全身傷だらけだったみたいで、
毛皮がいろんな所で破れて、赤い肉と白い骨がはみ出ていました。
腹から内蔵だかなんだか、正体不明のものが何本かぶら下がっていて、
口は血だらけで開いたまま、そこから黒っぽい小豆色の舌がブラブラ垂れ下がっています。
耳も破れて取れかかっているし、目は真っ黒で潰れているのかもしれない。
そんなボロ切れみたいな状態なのに死んでなくて、声もなく暴れている山犬を見ていると、
小便ちびそうなくらい怖くなってきました。
「なにボーっとしてるんだ。早く逃げんかい!血がかかるぞ!」
修さんが鬼のような形相で怒鳴るのを見て、私は村の方へ走って逃げました。
友達がゲエゲエ吐きながら、少し遅れて走ってきます。


701:名前:643:03/11/19 15:15
私と友達は、村の集会所へ連れて行かれました。
窓から外を見ると、村の大人が犬の所に集まって大騒ぎになっていました。
しばらくして煙が上がったと思うと、あたりにも物凄い臭いが漂いはじめました。
後で聞いたら、犬に油をかけて焼いたそうです。
私と友達は臭いとさっき見たものの気色悪さに、便所で吐きまくりました。

その日のうちに、私達はお寺へ連れて行かされました。
坊さんは警察みたいに、犬を見た時間や場所や、その時の状況なんかを詳しく聞いてきました。
腕に包帯を巻いた修さんも来ていて、私達の後でお堂の中に呼ばれました。
その後、修さんと一緒にお経を読まされたり、お札を焼いてその煙をかけられたりしてから、
ようやく帰っていいと言われました。

帰り際、友達が坊さんに「あの犬は何だったんですか?」と聞くと、
坊さんは「化け物に憑かれたんだ」と言いました。
猿を捕まえて、中に入り込んでしまうそうです。
「本当は猿に化けるが、最近は猿が減ったので、犬に化ける」とも言っていました。

後で修さんに聞くと「ヒサル」だと言っていました。
どんな字かは分かりませんが、たぶん『被猿』じゃないかと思っています。

クラシマヒサユキ(2)

890 :885-5:2011/03/27(日) 02:26:47.15 ID:wF+rFQBE0
そのことがあってすぐ、ある朝、うちの玄関に仔猫の首が置いてありました。
見覚えのある、あの男の子にあげた猫たちでした。
でも、うちにいた兄弟猫はもっと大きくなってる。
玄関に置かれた猫の首はまだ小さく、貰われたときと変わらないほどでした。

両親は学校に電話したり、なにか相談しあったり、家の中がおかしな空気になりました。
そんな時、弟が「おれ“ひさゆき”と話した」と言い出しました。
ひさゆき。それがあの男の子の名前でした。
「どこで?」
「学校で」
ひさゆきは、あの猫たちは私たち姉弟の身代わりになった、といった。
本当は私たちが事故で死ぬ筈だった。
助けるにはなにか一番大切なものを壊さなければいけない、といった。
弟はそう話し、なにかすっかり“ひさゆき”が好きになってしまったようでした。
私はもう6年だったし、それが異常な話なのはわかりました。

学校を休みがちになったAさんを見かけ、無理やり話しかけました。
「あの子は本当は子供じゃないの?なんなの?」とかそんなことを。
すると、「ひさゆきは子供じゃない。ひさゆきはひさゆきで、私とも関係ない」と急に怒り出し、
私は突き飛ばされて叩かれて、喧嘩みたくなってしまって終わりました。

そしてそれから、今に至るまでAさんとは会っていない。
家族みんな引っ越したとか、精神病院にはいっているとか、不穏な噂が学年で流れ、
「ひさゆきに連れて行かれた」という、学校の七不思議みたいな感じになりました。


891 :885-6:2011/03/27(日) 02:27:45.26 ID:wF+rFQBE0
それでそのあとは、そんな話はすっかり忘れていました。
可愛そうな猫たちの事は時々思い出しましたが、今となっては本当に私たちの猫だったのかも不確かです。
ネットで『ひさゆき・ヒサルキ』の話題がチラチラしだし、昔の不気味な思い出が蘇りました。
最近になって母に、あのときの事を聞いてみました。
Aさんから何か話を聞いたのかとか。
母がAさんから聞いた話は、
ひさゆきはAさんの親戚とかではなく、暴力を振るわれている。
(どんな種類の暴力だったのかは、母の口ぶりで察しました)
心配した母は、学校に相談したり、Aさんの家庭に介入したりしたのですが、
何ら出来ることなく、Aさん一家はいなくなってしまったのだとか。
「あの子は、私たちには子供に見えていたけれど、お母さんは変だと思ったの?」
そう聞くと、
「どう見ても子供じゃなかったよ。体は非常に小柄だったけれど」
母にしてみれば、変質者とかその類に見えていたと。

ひさゆきが学校で話題になっていた頃、ひさゆきと遊んだ子はちょっと自慢。
一過性だったけど、半年くらい『ひさゆきブーム』みたいのがありました。
“クラシマヒサユキ”
それが私の知っていた子のフルネームでした。

クラシマヒサユキ(1)

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?258

885 :本当にあった怖い名無し:2011/03/27(日) 02:22:42.81 ID:wF+rFQBE0
ひさゆき?ヒサルキ?
そういうのがネットの都市伝説っぽくなってるみたいですね。
私も昔の記憶の中にその名前覚えがあります。

動物好きな人には不快な話。飛ばしてください。


886 :885-2:2011/03/27(日) 02:23:57.93 ID:wF+rFQBE0
私の家では昔から猫を飼っているのですが、
そろそろ避妊手術を、と思っていたメス猫が家出をしてしまって、
帰っては来たのですが、妊娠してしまいました。
それで仔猫が生まれて、私と弟は必死になって貰い手を捜したんです。
小学校の生徒に学年構わず「猫いらない?」って聞きまくりました。
そして6匹生まれた仔猫は、だんだんと貰い手がつきました。
子供全部もらわれるのは母猫がかわいそう、ってことで、一匹だけ家で飼うことになったんです。

子猫たちもおっぱいからご飯になって、トイレも自分で出来るようになって、いよいよ一匹二匹と貰われていき、
うちで飼う事になった一匹除く、オスメスきょうだいの仔猫二匹も、ある日、急にお迎えが来ました。
猫を迎えに来たのは見知らぬ男の子でした。その時間、家には私と弟だけでした。
「Aが貰ってこいといった」と彼はやってきました。たぶん5年生くらい。
私が6年で弟が4年。どちらとも同級生では無かったので、それより上にも下にも見えない。
だからAさんの5年生の弟なんだ、そう思ったんです。


887 :885-3:2011/03/27(日) 02:24:53.83 ID:wF+rFQBE0
Aさんとは同級生でしたが、普段あまり話したことはなく、
その弟が説明もなしに私の自宅まで急に来たので、よく家がわかったなぁと不思議には思いましたが、
その時はそれだけでした。
男の子は仔猫を見て、うれしそうでもなく箱に入れて帰りました。
すごく嫌な感じがしました。

翌日。学校へ行った私は、Aさんに猫の事を聞いてみました。「どうしてる?」って感じで。
するとAさんは、何故か私を避けるように、適当な返事をして何処かへ行ってしまいました。
それから話しづらくて、何週間か経ってしまいました。
せっかく猫もらってくれたのに、変だなぁ、可愛がってもらってるのかな?と、とても気になりました。

そのころ私は持病があって、週に2回病院に行く為、学校を抜けて母と街を歩いていました。
ある日、クリニックに近い繁華街を歩いていると、
母が「あ、Aちゃんいるよ。学校どうしたんだろう」と言いました。
見ると、Aさんとあの男の子が歩いていました。
男の子が先になってどんどん歩いて、Aさんはしょんぼりと歩いていました。
その男の子が振り返って、Aさんの頭を殴りました。
私の母の顔色が変わって、Aさん達のところに駆け寄ると、
「あなた、何してるの?この子叩いて。Aちゃん今日学校どうしたの?」などと問い詰めました。
男の子はびっくりするような声で、「ババァ」とか「殺す」みたいな捨て台詞で、逃げていってしまいました。
Aさんは泣いてるし、何か事情ありそうだし、無理に家に連れて帰るのも、と、
私たちは3人で、近くの喫茶店に入りました。


888 :885-4:2011/03/27(日) 02:25:38.27 ID:wF+rFQBE0
「あの人だれなの?どうして一緒だったの?」
Aさんは下を向いて何もいわないので、
「あの子はAさんの弟だよ」と代わりに私が答えました。
すると母はすごい目で私を睨んで、
「バカなこと言うんじゃないの。あの人は大人の男の人でしょう」
びっくりしたのは私のほうでした。母なにいってるんだろう?と思いました。
「Aさん、あの子は弟だよね。猫とりに来たもんね」
すると母は、
「なにアンタも知ってる人だったの?なんなのあの人?説明しなさい!」とか怒り出しました。
Aさんは私の母に、「一緒にトイレに行って欲しい」と言いました。
泣いてばかりなので、仕方なくAさんと連れ立って母はトイレに行きました。

随分長く二人は帰ってきませんでした。
私も不安になり、もう限界だーっと思った頃、母とAさんは席に戻って来ました。
Aさんも母も青い顔をして、何も話さず、店を出て、
家に帰るのかと思ったら、私だけ家に置かれ、母とAさんは何処かへ行ってしまいました。

母が帰ってきて、私はAさんのことを尋ねました。
「あの人は親戚なんだって。一緒に住んでいるらしい。でもおかしな人だから、あんたは絶対関わっちゃダメ」
と言いました。
「何年生?」と聞くと、「だから子供じゃないって言ってるでしょ!」と怒り出し、
私はそれ以上何かを聞く事は出来ませんでした。