2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

危険な好奇心 前編(12)

690 『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M sage 2006/05/06(土) 04:34:37 id:BiI+Rh5RO 母は青い顔をしていた。恐らくこの時始めて『中年女』の異常性を知ったのだろう。 そうだ、あの女は異常なんだ。 きっと今も蛙を投げ込んできた後、俺や母の驚く姿を見てニヤつい…

危険な好奇心 前編(11)

551 『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M sage 2006/05/05(金) 05:47:22 ID:8b48b6KiO 俺は慌てて電話に出た。 慎『どう?』 俺『なんか部屋覗いとったけど、どっか行った。。。』 慎『そっか、親帰って来たんか?』 俺『いや、たまたまパトカー通って、それにビビって中…

危険な好奇心 前編(10)

451 『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M sage 2006/05/03(水) 08:46:27 id:FVrpBt6MO 玄関扉を挟んで1?程の距離に『中年女』がいる! 俺は息を止め、動きを止め、気配を消した。 いや、 むしろ身動き出来なかった。まるで金縛り状態・・・『蛇に睨まれた蛙』とはこ…

危険な好奇心 前編(9)

355 『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M sage 2006/05/01(月) 09:38:55 id:jZMGGFeIO 俺は内心『そーなのかな?』と反論したかったが、しなかった。 それは、慎の言うとうり実は俺達が思っている程『中年女』は俺達の事を怨んでいない、忘れかけている。と思いたかっ…

危険な好奇心 前編(8)

286 『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M sage 2006/04/30(日) 01:58:44 id:Ey4nh9XjO 慎が『なんで親が関係あるの?狙われているのは俺達だよ?!』とキレ気味に言い放った。 ちなみに慎の両親は医者と看護婦。高校生の兄貴は某有名私立高校生。 俺達3人の中で一番…

危険な好奇心 前編(7)

163 『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M sage 2006/04/27(木) 06:07:52 ID:2G2sPLliO 秘密基地に近いてきて、俺は違和感を感じ、 『慎!』 と呼び止めた。 違和感 いつもなら秘密基地の屋根が見える位置にいるはずなのだが、屋根が見えない。 慎もすぐに気付いたよ…

危険な好奇心 前編(6)

311 『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M 2006/04/24(月) 04:13:03 ID:5CaStqefO もうガチャガチャどころではない。曲がり角を曲がり、女が見えなくなった所で俺は慎の腕を掴み 『帰ろう!』と言った。 慎は俺の目をしばらく見つめて『あ、今日塾だっけ?帰らなやばいな…

危険な好奇心 前編(5)

295 『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M 2006/04/24(月) 03:21:39 ID:5CaStqefO 続き その日から慎と帰ることになった。 その日は学校で噂の『トレンチコート女』(推定・中年女)には会わなかった。 次の日も、その次の日も会わなかった。 しかし、学校では相変わ…

危険な好奇心 前編(4)

967 本当にあった怖い名無し New! 2006/04/23(日) 03:41:01 ID:0yX4mhCZO 俺達は会話が無くなり、とりあえず山を降りた。淳は泣いたままだった。 俺は今もどこからか中年女に見られている気がしてビクビクしていた。 山を降りると慎が 『もう、この山に来るの…

危険な好奇心 前編(3)

852 本当にあった怖い名無し 2006/04/22(土) 13:45:51 id:moTdWLP+O興奮の為、明け方まで眠れず、朝から昼前まで仮眠を取り、俺達は山に向かった。 皆、あの『中年女』に備え、バット・エアーガンを持参した。 山の入口に着いたが、慎が『まだアイツがいるか…

危険な好奇心 前編(2)

810 本当にあった怖い名無し 2006/04/22(土) 05:19:30 id:moTdWLP+O 俺達はニヤニヤしながら近づいていった。頭の中で、その何者かにどんな悪戯をしてやろうかと考えていた。 その時、 『コン!』 甲高い音が鳴り響いた。 心臓が止まるかと。 『コン!』 ま…

危険な好奇心 前編(1)

801 本当にあった怖い名無し 2006/04/22(土) 03:48:18 id:moTdWLP+O 少し長い話ですが、暇な方、読んでください。 小学生の頃、学校の裏山の奥地に俺達は秘密基地を造っていた。 秘密基地っつっても結構本格的で、複数の板を釘で打ち付けて、雨風を防げる3…

リゾートバイト 後日談(6)

顔が土色になって、明らかにやつれ切った顔をしてたんだ。 そして、俺達の前に来ると泣きながら謝って来た。泣きすぎて何を言ってるのかは全部聞き取れなかったんだけど、俺達は旦那さんのその姿を見て誰も何も言えなかった。俺達に申し訳ないことをしたと泣…

リゾートバイト 後日談(5)

女将さんは、そこに居たというか・・なんか跳ねてた。エビみたいに。うまく説明できないんだが。 寝た状態で、畳の上で、はんぺんみたいに体をしならせてビタンビタンと跳ねていたんだ。人間のあんな動きを俺は初めてみた。 そして時折苦しそうにうめき声を…

リゾートバイト 後日談(4)

坊「これ以降手記には、非常に稀ですが同じような事象の記述が見られます。だがその全てに、母親達がいつどのようにしてこの儀を知るのかが明記されていないのです。それは全ての母親が、命を落とす若しくは、話すこともままならない状態になってしまったこ…

リゾートバイト 後日談(3)

坊「母親の体には自害を防ぐための処置が施されたようですがその詳細は分かりません。その後、おんどうの周りに注連縄を巻きつけ、住職達はその周りを取り囲むようにして座り経を唱え始めたそうです。中から母親の呻き声が聞こえましたが、その声が子に気づ…

リゾートバイト 後日談(2)

よく見てみるが分からない。だがなんとなく、どっかで見たことのある物だと思った。 俺は暫く考え、咄嗟に思い出した。昔、俺がまだ小さい頃、母親がタンスの引き出しから大事そうに木の箱を持ってきたことがあった。 そして箱の中身を俺に見せるんだ。すげ…

リゾートバイト 後日談(1)

あの後、俺達は死んだように眠り、坊さんの声で目を覚ました。坊「皆さん、起きれますか?」特別寝起きが悪いAをいつものように叩き起こし、俺達は坊さんの前に3人正座した。坊「皆さん、昨日は本当によく頑張ってくれました。 無事、憑き祓いを終えること…

リゾートバイト 後編(8)

そこに立っていたのは、坊さんだった。 坊さんは俺達の姿を見つけると、一瞬泣きそうな顔をして、 坊「よく、頑張ってくれました」 と言った。あの時の坊さんの目は、俺一生忘れないと思う。 本当に本当に優しい目だった。俺は、不覚にも腰を抜かしていた。 …

リゾートバイト 後編(7)

扉の向こうのヤツは扉をこじ開けて入ってくるつもりなんだと思った。 俺は扉が開いたらどうするかを咄嗟に考えた。(全速力で逃げる、坊さんたちは本堂にいるって言ってたからそこまで逃げて・・おい本堂ってどこだ) とか。もうここからどうやって逃げるかし…

リゾートバイト 後編(6)

Bを見た。薄暗くて分かりづらかったが、Bに気づいている気配はなかった。Bには聞こえないのか? そういえばBって呼吸音について言ってたっけ? もしかしてあれは聞いたことがないのか? それとも単に気づいていないだけか?頭の中で色々な考えが浮かんだ…

リゾートバイト 後編(5)

そこには、大量の爪の欠片が詰まっていたんだ。 俺の足に張り付いていたものと一緒だった。見覚えのある、赤と黒ずんだものだった。Bは、その場ですぐまた吐いた。 俺もそれに釣られて吐いた。 周辺が汚物の匂いでいっぱいになり、坊さんも顔を歪めていた。…

リゾートバイト 後編(4)

坊「話がわからないのは当然です。○○くんは、堂へ行った時に何か違和感を感じませんでしたか?」坊さんが堂といっているのは、どうやらあの旅館の2階の場所らしかった。 それで俺は答えた。俺「音が聞こえました。あと、変な呼吸音が。 2階のドアにはお札…

リゾートバイト 後編(3)

その後、俺達は旦那さんの軽トラに乗り込んだ。 といっても、俺とAは後の荷台なわけで。 乗り心地は史上最悪だった。旦那さんは俺達が荷台に乗っているにも関わらず、有り得んほどにスピードを出した。 Aから軽く女々しい悲鳴を聞いたが、スルーした。どれ…

リゾートバイト 後編(2)

信じられなかった。 憑かれていたってことか? 何だよ俺死ぬのか?この流れは死ぬんだよな? なんであんなとこ行ったんだって?行くなと思うなら始めから言ってくれ。あまりの恐怖で、自分の責任を誰か他の人に転嫁しようとしていた。呆然としている俺を横目…

リゾートバイト 後編(1)

広間に着くと女将さんと旦那さん、そして悲しそうな顔をした美咲ちゃんが座っていた。俺達は3人並んで正座し、 俺「短い間ですが、お世話になりました。 勝手言ってすみません」 俺AB「ありがとうございました」 と言って頭を下げた。すると女将さんが腰…

リゾートバイト 前編(7)

正直、食欲などあるはずもなく。 だが不審に思われるのは嫌だったし、行くしかないと思った。俺はのっそりと立ち上がり、二人に言った。俺「なるべく早いほうがいいよな。朝飯食い終わったら言おう」A「そうだな」B「俺、飯いいや。Aさ、ノートPCもって…

リゾートバイト 前編(6)

あのとき、俺の話を最後までちゃんと聞いてくれたAとB、あれで自分がどれだけ救われたかを考えると、 俺には聞かなくちゃならない義務があるように思えた。俺「何が、見えたんだ?」B「・・・」Bはまた少し黙りこみ、覚悟したように言った。B「影・・だ…

リゾートバイト 前編(5)

次の日、誰もほとんど口をきかないまま朝を迎えた。 沈黙の中、急に携帯のアラームが鳴った。 いつも俺達が起きる時間だった。Bの体がビクンってなって、相当怯えているのが伺えた。Bは根がすごく優しいヤツだから、前の晩俺に言ったんだ。B「ごめんな。…

リゾートバイト 前編(4)

ドアの向こう側で、なにか引っかいているような音だった。そしてその後に、 「ひゅー・・ひゅっひゅー」 不規則な呼吸音が聞こえてきた。このときは本当に心臓が止まるかとおもった。(そこに誰かいるの?誰?誰なの?)←俺の心の中あの時の俺は、ホラー映画…