山の上にある廃墟(2)

302 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/24 18:20
しかも1人は女らしい。真っ赤なワンピースを着てる。
もう1人は明らかに男でスーツ姿だった。
年齢は全く分からないが、多分40前後と感じた。顔も暗くて良く見えない。
俺らは微妙に非現実的な出来事に、あっけに取られていたと思う。

あっけに取られた俺らをよそに、彼らはすぐ車の近くまで近付き、
男性が運転席側、女性が助手席側に回りこみ、
いきなりドアノブを引っ張り、物凄い勢いで車の中に進入しようとすんの。


303 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/24 18:21
「!」
ぎゃー。もう髪の毛総立ち。ヤバイ。
さっきも言った通り、偶然カギが掛かっていたためドアは開かない。
でも彼らはそんなのもお構いなしに、ドアノブを半端無いくらいガチャガチャやってる。
ビビる俺達。
車もすげー勢いで揺れてんの。
正気に戻った誰かが「逃げろ!」と叫んで、運転手もすかさず車を発進させました。

「うぉー怖えーーー!」
車の中は大騒ぎ。気が付くと皆恐怖のあまり泣いていました。


304 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/24 18:22
近くのファミレスに車を止め、皆で「なんだったんだアレ?」みたいな事をギャーギャー話した。
友達がバカで明るい奴らで助かったと思った。
「一番涙目になってた奴は誰だ?」みたいな話しもした。
「俺じゃねーよ!」とか、「お前が一番涙目だった」とか言い合った。
俺はさほど涙目にならなかったお陰で、大して言われずにすんだ。

大分落ち着いてから、格闘技経験者でイケイケの友人に、何でお前出て行かなかったのと聞いてみた。
こいつはかなりイク奴なので、皆不思議がったのだ。ちなみにこいつは運転手。


305 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/24 18:23
そいつはドリンクバーを飲みながら一言。
「多分俺じゃ勝てないから」
「ぉお?何時も自信マンマンなのに、今回はえらく殊勝だねえ」
誰かが茶化す。
すると運転手のそいつはムキになって、
「だって、俺の車1トン以上あるんだよ?ドアノブ上げるだけで、何であんなに車が揺れるんだよ。
 あいつら力半端ねーよ。
 …つか、お前ら、あいつらの顔みてねーのかよ?
 目がな、ヤバ過ぎてとても出て行けねーって。
 だって黒目しかねーんだもん。アレ絶対人じゃないよ」
男女の顔を良く見ていない俺達は、その言葉にガツーンと落とされた。
彼は嘘を言うタイプじゃないから。

そして、ファミレスで朝まで過ごした。
時効だから書くけど、俺は涙は出なかったけどおしっこがちょっと出た。
人間本当の恐怖を味わうと小便を漏らすのを、その時初めて知った。