拾った石(2)

388 :381:2005/07/15(金) 13:20:53 id:AfyrYbyu0
それを見て背筋がゾクッとなった。
姉ちゃんにこの事を言おうと部屋を出ようとすると、体がうまく動かなくなった。足が動かない。
金縛りか?これが?あれって寝てる時やろ?と初めてなる金縛りに焦りまくった。
そん時不意に、「やっぱ今日、オマエ誘っといてよかったわ。これに懲りずに付き合ってや」というAの声が聞こえた。
聞こえたというか、頭の中で響いた。何回も言葉がぐるぐる回ってた。
そのうち何かぼーっとなって、ふと気づいたら部屋の床で寝ていたらしい。
もう夕方になっていた。夢か?何だったんだろう。
すぐに机の上の石を見た。真っ黒だった。昨日の夜といっしょだ。
何か急に怖くなり、その石を処分しようと考えた。

晩飯を家族と食べた時も、昼間の事は言わない事にした。どうせまともな答えが返って来るとは思えないから。
会話はテレビの年末特番(レコード大賞?忘れた)の話しか何かだったと思う。
夕食後すぐに部屋に戻り、石をどうしたものか考えた。
とにかくここには置いておけない。
元の場所に捨てに行くか、適当なところに捨てるか。
何となく元の場所に戻す(捨てる)方が良いと判断し、明日、仕事場のビルのゴミ捨て場にいく事に決めた。

真っ黒の石を箱にしまい、風呂に入ってさあ寝ようと思ったときに、家の電話が鳴った。友人Aだった。
『今日暇やねん。○○(昨日(今日)行ったバーの名前)で飲もうや』


392 :381:2005/07/15(金) 13:28:05 id:AfyrYbyu0
おいおい、昨日も飲んだやんwと思いつつも、まあ別にする事も無く、寝ようと思ってたからOKした。
「オマエもたいがい暇やな。
 でも俺、今日起きたら右手上がれへんくって、バイクでは無理やわ。自転車でいくわ」と返事し、
「うそ!怪我したん?原因わからんの!大丈夫なん?そら大変やな。ほんじゃ、また今度にしようや」とAは言ったが、
「ええよ、行けるから」と行く事に。

距離的にもまあ行けない事もないし、片手がちょっとなれてきた事もあり、難なく到着。
年末だからか、バーに客はAしか居なかった、
第一声僕が、「でもそういやオマエ、何で家に電話したん?携帯にくれたら良かったのに」というと、
A「ひっさしぶりやなーしかし。元気しとったか?って手上がらんねんなwつうか、オマエの古い番号しか知らんし」
僕「アホ、何言うてんのん。今日やん別れたん。今日。まだ酔うてんのかぁ?w」
A「今日て?何言うてんの?オマエ、今日なんか会ってるわけないやん」
僕「昨日から今日という意味や。もうえぇって!
 とりあえずちゃりんこ片手運転して来てんから、ビールぐらい飲ませろや」
A「わけわからん。久々に会ったらキモさ爆発やなオマエ」
僕「おっ!とりあえず。何かわからんけどお疲れー!」
乾杯。
僕「つうか、昨日の帰りの事全然覚えてないねんけど、オマエちゃんと帰れた?」
A「オマエな、さっきから何キモいこと言ってんのん?頭おかしいんちゃうか?」
僕「○○さん!(マスターの名前、以下マ)昨日こいつと俺来てたやんな!」
マ「いや、二人とも来てへんかったよ」
気になって携帯の着信履歴をみた。昨日の着信は3件。その中にAの名前は何故か無かった。


394 :381:2005/07/15(金) 13:35:38 id:AfyrYbyu0
というかマスターいたっけ?と自問自答。
A「あ〜ぁ、こいつの嘘バレバレですよね〜」
僕「ちょ・・・嘘ちゃうって」
と、昨日の状況を思い出そうとしたが、何故かどうしても思い出せない
かろうじて覚えている、
「やっぱ今日、オマエ誘っといてよかったわ。これに懲りずに付き合ってや」という事を言うと、
A「俺そんなん言ってないし、夢ちゃうん?それ、夢やって。ああ夢、夢」
僕「いやそんな事無いって。でも、全然思い出されへんねん。何でやろ?」
A「オマエ一回病院行った方がいいんちゃう?記憶ないって何か怖いやん」
僕「ちょう待てって。じゃあオマエの言う事がホンマやとして」
A「俺はオマエの携帯番号も知らんし、昨日オマエと飲んでも無い。
 というか大阪におらんかった。証拠もある」
といって、福岡市にあるホテルの領収書を見せてきた。日付は今日の午前チェックアウト。
どうなってんの?これ。俺頭おかしくなったんかな?

僕が整理のつかない頭で、「うおー!思い出されへん!」ともがいてる時、Aが突然言い出した。
A「ちょっと真剣に聞いてほしいねん」
Aはちょっと寂しそうに話した。